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学校情報

学長メッセージ

学長メッセージ

今、この時を

学長 田中 厚一

 飛行機が苦手である。この年齢だから、かなり乗ってはいるのだが、いまだに手に汗をかいてしまう。空を飛ぶ理屈は分かっているつもりだけれども、いまだにピンとこない。何といっても離陸の瞬間、陸地を離れていくあの〈無理矢理〉さがどうにもたまらないのである。まして、空を飛んでいる際の足元の〈フニャフニャ〉した感覚が、わけもなく心細いのだ。

 帯広大谷短期大学では、2年前から卒業記念として熱気球体験フライトを行っている。上士幌高校熱気球部にご協力をいただき、短期大学の全貌を、卒業間近の学生たちに空から眺めてもらっているのだ。今まで普通に生活してきた校舎を上から眺め返すことで、全く違ったイメージを得られればと思ったのが、そもそものきっかけだった。〈自分たちが過ごした学び舎を上空から見つめ直すことにより、4月から始まる新生活に弾みをつけてほしい。視点を変えることで新しい〈なにか〉を発見し、それを生きていくエネルギーに変えてもらいたい〉。そんなふうに期待し、願ったわけである。

 歓声が響き渡るなか、大きな〈風船〉はゆらりゆらりと雲ひとつない青空に舞い上がった。学生たちには、なにが見えていたのだろうか。帯広大谷短大で経てきた時間の意味を自分たち自身で改めて確認し、〈今、この時〉の価値を体感してくれれば、こんな嬉しいことはない、と思う。大谷短大で過ごす時間は、悲しいぐらい、短い。しかし、充実した時空であることは保証できる。それは、上空から聞こえてきた学生たちの楽しそうでいて、どこか切ない、そんな交響する声からもわかるのだ。

 この文章を読んでくれている高校生の皆さんも、どうか帯広大谷短期大学の一員となって、人生にとってかけがえのない有意義な時間と空間を自らの手でつかまえて欲しい。私たち教職員や在学生たちは、いつでもそんな好奇心に満ちた積極的な皆さんを歓迎したいと思っている。

 そうそう、高所恐怖症の私は、実はまだ一度も気球に乗っていない。自分の半生を確認し、〈なにか〉と出逢うためにも、来年こそは体験してみようか。この文章を書いていて気分が高揚しているせいだろう、恐ろしいくせにそんな気持ちになっている自分が、いる。

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